平安絵巻
その夜
久しぶりに、帝の寝床に行くことになった。
『失礼致します。』
『ここであうのは、久しぶりですね。』
『あの、雪の君はご息災ですか?』
『はい。変わりありません。』
『そうですか。』
『本当に、お痩せになられた。』
『少ししか、食べれていないもので。』
『では、たくさん食べなければ。
お子が出来ませんよ。』
『え?』
『たくさん食べましょ!』
それから、毎日のように帝は来てくれた。
でも、一向に妊娠の気配はなかった。