平安絵巻




『私には、妊娠は出来ません。』



鶴の君は言った。




『中宮、何を言っているの?』


『松の君様、私には産むことが…。
 ただ、辛いのです。
 毎日、きてくださっている帝に…』




『あなたは、まだ宮中に来て三年よ。』


『でも…、雪の君様は1ヶ月で…』

『焦らず待てばいい。大丈夫だから。』




必死に励ましてくれた。

 








 今日も、帝の寝床に向かう。



   



 


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