平安絵巻






『失礼致します。』



『中宮、話がある。』


嫌な予感がした。






『また、新たに側室が来ることになっ   た。』
 



『そうですか…
 私が、いけないんです。』


『そうではない!中宮のせいでは…』


『お願いがございます。
 里帰りをさせてください。』


『急に…』


『ずっと悩んでいました。
 この際に、里に帰ろうと。』


『そのような。』



『私は、いいのです。
 少しだけ、考えたい…』




その晩も、しばらく経った後に眠った。
 






< 53 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop