平安絵巻
『失礼致します。』
『中宮、話がある。』
嫌な予感がした。
『また、新たに側室が来ることになっ た。』
『そうですか…
私が、いけないんです。』
『そうではない!中宮のせいでは…』
『お願いがございます。
里帰りをさせてください。』
『急に…』
『ずっと悩んでいました。
この際に、里に帰ろうと。』
『そのような。』
『私は、いいのです。
少しだけ、考えたい…』
その晩も、しばらく経った後に眠った。