[完]*゚好き好き男子は手に負えない。
呼ばれた名前に、肩が跳ね上がる。



私は何も言えなくて、ただ俯くことしかできなかった。



「嫌だったら、嫌だって言わないと」



「え、」



その言葉に顔をあげると、榊くんは私に背中を向けていた。



「もっと素直になってよ、少なくとも俺には」



そう呟いて、こちらを振り向く榊くんは切なそうに笑った。



そして、「ごめんね」と謝罪の言葉を述べてから、榊くんは出ていった。
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