[完]*゚好き好き男子は手に負えない。
俺は立ち上がり、松永の両肩を思いきり掴む。



「なに、気にしてるって…」



「さあーね?」



自分で確かめてくれば?と付け足して、意地悪く笑う松永。



俺は、そっと肩から離したその手で、自身のカバンを掴みあげた。



「ありがと、松永」



微笑みお礼の言葉を述べる俺に、つんと顔を背ける松永。



ああ、松永はそういう奴なんだ。



からかったり笑い声が大きかったり、いろいろ問題はあるけど…



いざというときは友達の為を思いやる、紗倉の友達。



俺は荒々しく履き替えた靴で、校庭の砂を蹴り飛ばしていった。
< 152 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop