[完]*゚好き好き男子は手に負えない。
「じゃなくて!」



声を荒らげる来夢の目は、真剣な眼差しだった。



「お礼なんていらないから…」



私も逸らさずに、耳を傾ける。



「説明して、この状況を」



その言葉に、私は思わず口を噤んだ。



「榊と、ちゃんと話した?」



来夢の言葉ひとつひとつが、私の心におもりを乗せていく。



どんどん重くなる心に歯向かうように、私はふっと微笑んだ。



「うん、もちろん」
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