わたしとあなたときみと。完
部屋を出ると遠く離れたベンチに
座っている凌弥の姿を見つけた。
そっと近寄りそこから少し離れた
あまり人が来ないとこへ移動した。
「…話って?」
「なんでキャンプの日…
黙ってかえったんだよ。
あの後松宮がキーキーさわいで
あれこれ周りに言いふらして…。
だから…。」
なんとなく全てが繋がった気がした。
きっとかすみが二股とか言いふらして
それに凌弥が反論したんだろう。
…翔太は死んだって。
だから他の人たちは
あたしに優しかったんだ。
「…笑っちゃうね。」
「…え?」
「二股とかって言いふらして
かすみに同情して…。翔太の話聞いて
…きっと凌弥優しいからさ……。
俺が勝手に好きになって…
勝手に一緒に居るんだとか言って…
全部聞いたら手のひら返して
あたしに同情してるんだ。今。
みんながあたしに同情してる。
ははっ…まるで悲劇のヒロインだね…」