恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
よしくんは音楽自体あまり聴かない人だけど、聴くとしたら男性ボーカルだけだと思っていた。
私は少しビックリしてしまって、でもそれ以上に何だかアタフタしているよしくん。
「いや…、たまにはいいかなぁっと思って。」
よしくんのこんな姿は見た事がない。
いつも冷静で、何の隙もない人なのに。
きっとこの曲には何かあるんだと思い、私は口をつぐんだ。
これ以上は聞かない方がいいと思ったから…。
かけたままの女性ボーカルの曲を右から左に聴き流し、
しばらく走ると目的地のショッピングモールに到着。