恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
確かにハンバーグはおいしいんだけど、きっとそれだけじゃない。
よしくんと一緒に居るからより一層おいしく感じるんだと思う。
私は楽しくて嬉しくて、ずっとニコニコしていた。
そんな時、テーブルに置いていたよしくんのケータイが震える。
「ちょっと、わりぃ。」
そう言ってよしくんは私の目の前でケータイに出た。
「はい。うん…うん…わかった。また連絡する。」
何か、嫌な予感がした。
電話を切るなりよしくんは、
「那波、わりぃ。急用が出来た。これ食ったら家まで送る。」
やっぱり…。
誰からかかってきたかなんて私にはわからないけど、そう言われると思った。
さすがに、私の顔からは笑顔が消える。