恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
よしくんはすぐに食べ終わったけど、
私は少しでも長く一緒に居たくてわざとゆっくり食べていた。
でも、何となくよしくんがソワソワ急いでいる気がして、
涙が溢れそうになるのをグッとこらえ残りのハンバーグを口の中に押し込んだ。
ここでもよしくんがお会計を済ませてしまって。
やっぱり悪い気がしたから、
『私、自分の分は払うよ。』
とお金を差し出した。
なのに、よしくんは
「俺、こう見えてもそれなりに給料もらってるから。」
と言ってお金を受け取らず歩き出してしまった。
私は慌ててよしくんの後を追いかける。