恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
1つ深呼吸をして通話ボタンを押す。
『もしもし?』
「小松?いきなりごめんな。」
『ううん。』
勇心くんの後ろからはガヤガヤと騒がしい音が聞こえる。
「弘人がさ、小松と話したいって言ってるんだけど、いいかな?」
『えっ……あっ、うん…。』
弘人くんは、同じクラスで勇心くんの1番仲良しな子。
正直ビックリした。
勇心くんとは話すけど、弘人くんとはあまり話した事がない。
それなのにどうしてだろう?
「あっもしもし?いきなりごめんな。」
『ううん。』
弘人くんに代わった電話は、ハッキリ言ってどんな話をしたのか覚えていない。