恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
それから数日後。
掃除も終わり帰る準備をしていると、弘人くんに話があると言われ廊下の端に連れていかれた。
なのに、弘人くんは私に背を向けたまま何も話そうとはしない。
『弘人くん?話って何?』
私の問い掛けに弘人くんは勢い良く振り返ると、
「小松の事が好きなんだ。付き合って下さい。」
突然の告白。
『……ごめんなさい。私、好きな人がいるの。』
初めて告白されて緊張したけど、でもこれが私の本当の気持ち。
だけど、弘人くんを傷付けてしまう罪悪感でいっぱいだった。
「そうなんだ…。いきなりごめんな。」
私の横をすり抜けて、弘人くんは走って行ってしまった。