恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
『で、ごめんなさいって断った後、勇心くんに声かけられて。勇心くんの顔見たら、好きって言ってた。でも走ってきちゃったの。』
「そっか。勇心に告白して返事も聞かずに来たんだ。」
『告白するつもりなんてなかったの。』
思い出しただけでまた泣きそうになる。
明日勇心くんとどんな顔で会えばいいの?
そう考えていた矢先、
ブーブーブー
みっちゃんのケータイが震える。
「もしもし?えっ、今から?…うん、わかった。」
電話を切り、みっちゃんが私の方を向く。
「香澄、今の電話勇心からだよ。」
『えっ、勇心くん?』