恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
「小松の気持ちは嬉しかった。…でも、俺は小松の事をクラスメイトとしか見てないから、ごめんな。」
これが勇心くんの気持ち。
こらえる事の出来なかった涙が、後から後から流れ続ける。
「本当にごめんな。」
そう言って勇心くんは去っていった。
私はその場を動く事も出来ず立ち尽くしていた。
「香澄…。」
勇心くんに言われたのだろうか、みっちゃんは駆け付けてくれて。
私はみっちゃんの胸に飛び込み、子供のようにワンワン泣いた。
私の初恋は実を結ぶ事は出来なかったけど、
勇心くんが居たから人を好きになる気持ちを知る事が出来たし、
こんなに積極的になる事も出来た。
私の大事な大事な初恋。
大切に心の奥にしまっておこう――
[END]