恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
さらに運悪くその日は図書室当番で帰りが遅くなった。
友達もみんな帰ってしまっててどうする事も出来なく、雨が止むのを玄関で待っていた。
そんな私に、
「傘ないの?バス停まで一緒に入ってく?」
声をかけてくれたのが幸成だった。
人懐っこい笑顔を向ける幸成に、私は一瞬で心奪われていた。
『お願いしてもいいですか?』
学校からバス停までは歩いて5分。
時折、右肩にぶつかる彼の左腕にすごくドキドキしていた。
人懐っこい笑顔同様、人懐っこい性格でいろいろ話をしてくれた。