恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
バタンとドアが閉まると、私はその場で泣き崩れ、傘を持っている事も出来なくなった。
空は私の心を知ってか知らずか、激しく雨を降らせる。
この雨と一緒に、私の気持ちもこの体から流れ出てくれればいいのに。
私の恋は、出会った日と同じ雨が降る日に終わった―――
後日、幸成と話す機会があって、
私の気持ちはすごく嬉しかったって、
ありがとうって、
そう言ってくれた。
結局幸成はあの子と付き合う事になったけど、私は幸成に自分の気持ちを伝えられて良かった。
雨が降ると思い出す、ちょっぴり切ない恋―――
[END]