恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】


「俺、この後姉ちゃんのとこ行くけど沙羅も行くか?」


アイスを食べ終わり、洋介がそんな事を聞いてきた。


『いいの?私が行っても。』

「別に構わないよ。」

『行く。赤ちゃん見たい。』


私は洋介のお姉さんと面識があるわけではない。


でも、せっかく洋介が誘ってくれたし。


お姉さんへのお土産を買い、私達は病院に向かった。


コンコン


「はーい。」

「よっ。」

「洋介。来てくれたんだ。…あら?」


洋介の後ろから入ってきた私にお姉さんの視線がそそがれる。
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