恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
「葉月、沙羅ちゃんビックリしてるじゃん。」
お姉さんが助け舟を出してくれて、私は葉月さんから解放される。
「沙羅ちゃん、ごめんね。私、女子高生好きなのよ。」
アハハと笑う葉月さんのその言葉の意味がわからず、私も洋介もキョトンとしてしまう。
けれど、葉月さんは誰がどう見たって美人さんで、私はチラチラと洋介を見ていた。
葉月さんが来てからの洋介は、どこかソワソワしているように見えた。
もしかして、洋介は葉月さんのこと…。
だいぶ長居してしまって、外が暗くなり始めた頃私達はお姉さんの家をあとにした。
葉月さんも一緒に3人で駅までの道程を歩く。