恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
ここ数日の洋介は、どこか上の空で何を考えているのかため息をつく事が多い。
ううん、何を考えているかなんて予想がつく。
きっと葉月さんの事。
わかっているけど、私からは聞けない。
「はぁ。」
洋介がまたため息をつく。
『あーもう!私の前でため息つくのやめてくれる?』
私は洋介のため息の理由に気付いてしまってるからイライラしてしまう。
「沙羅…」
私に怒られた洋介は一瞬、シュンとした。
けれど…
「俺、葉月さんの事が頭から離れないんだ。」
私の顔は見なかったけど、でもハッキリと洋介の口から出た言葉。