恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
巧は小さい頃から知っているご近所さん。
歳は私より4コも上だけど、幼い頃から巧って呼び捨てだった。
「お前ら、顔合わす度にそれだよな。ハハハ。」
康弘くんはこんな私達をいつも笑う。
康弘くんも巧と同じ4コ上の22歳。
地元は隣町だけど、巧の友達で今年の夏になってからここに来るようになった。
そして…私の気になる人。
『康弘くん、明日仕事?』
「明日は休み。」
少しでも話がしたくて、私は必死に話しかける。
『じゃあさ、バイクの後ろ乗せて!』
「ダメー。彩奈はおっちょこちょいだから危ない。」
『ケチー。』
康弘くんは唯一、私の事を“彩奈”と呼ぶ。