恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
私は康弘くんに手を引かれて、みんなが見ているとことは反対側、全く綺麗な夜景は見えないところに連れてこられた。
キョロキョロしている私に、康弘くんは上と指をさした。
上を見た私は、ハッと息を飲む。
空一面にキラキラと輝く星。
「ここ、穴場だろ?」
康弘くんが腰を下ろしたので、私も隣に座って空を見上げる。
『こっちの方がすごく綺麗。』
本当に本当に綺麗だった。
空を眺めながら、私はチラチラと康弘くんを見る。
彼の横顔を見ていると、私の視線に気付いた彼がこっちを見た。
目が合った瞬間、
『好き。』
私はそう呟いていた。
一瞬間があいて、
「俺も。」
彼の唇が私の唇に重なった…。
恥ずかしかったけど、すごく幸せだった――