恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
それからの私達は時間をみつけては会い、ご飯を食べに行ったり、ドライブに行ったり。
バイクに乗せてもらった次の日、康弘くんはバイクを手放した。
そして、代わりに車がやってきた。
最後だからと私を乗せてくれたらしい。
私達が付き合いだした事は誰にも言ってない。
1週間が経った頃、
『ねぇ、康弘くんの家に行きたい。』
そう言ったら、一瞬困った顔をして、
「また今度な。」
って。
おかしいなとは思った。
でも、私は康弘くんに嫌われたくなくて、それ以上聞けなかった。
康弘くんの事が大好きで大好きで。
一緒にいられるだけで本当に幸せで。
絶対にこの手を離さないって思ってたのに、私達は呆気なく終わりを迎える――