恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
『おばちゃん、こんばんは。夕飯はもう食べたからいらないよ。』
「じゃあアイスでも食べる?」
『うん!』
食事中のよしくんの向かい側の席に座りアイスをいただく。
「で、何しに来た?」
よしくんは黙々と食べながらチラッと私の顔を見た。
『あっ、そうそう。宿題でわからないとこがあって、よしくんに教えてもらおうと思ったの。』
「しょうがないな。もう少し待ってろ。」
『うん!』
能戸 那波(のと ななみ)、16歳。
物心ついた時から、お隣りの新田 義隆(にった よしたか)くんの事が好き。