恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
『教えてくれて、ありがとう。』
よしくんは、私の事を妹みたいにしか思っていない。
でも私は、よしくんに触れられるだけでこんなにもドキドキしてしまう。
用件はすぐに終わってしまったけど、私は帰ろうとはせずよしくんに話しかける。
『よしくん、仕事って大変?』
「まぁな。」
私は高校生になったばかりだけど、よしくんは社会人4年目。
今日は少し早い帰宅だったけど、いつもこんなに早く帰ってくるとは限らない。
よしくんが社会人になってからは、前よりも会う機会は減っていた。
『ねぇよしくん。今度の休みに映画行こうよ。』
「お前と?何で?」
何でって…。