恋 歌 -コイ ウタ- 【短編集】
よしくんに近付きたくて、でも近付けなくて。
この10歳の差がもどかしい…。
そして、日曜日。
ちゃんとした約束はしてないけど、いつもより少しお洒落をしてお隣りさん家の玄関を開ける。
『おはようございます。おばちゃん、お邪魔するね。』
返事がなくても勝手に上がり込む私。
リビングのドアを開けると、洗い物を終えて手を拭いてるおばちゃんがいた。
『おばちゃん、おはよう。勝手に入ってきちゃった。』
「ななちゃん、おはよう。いいよ、気にしないで。」
『よしくんは?まだ寝てる?』
「うん、寝てる。起こしてもいいよ。」