ホルガリズム
オッサンサンダル
コンビニから出た頃には、街はすっかり夜になっていた。
待ってましたと言わんばかりに1つだけ取り残されていたチーズハンバーグ弁当は、僕の右手のビニール袋の中ですでに傾きつつあった。
住み始めて1年になる、そろそろ見慣れたアパートにつくと、郵便受けの前で電灯に照らされながらゴミ袋を懸命に締めている人影があった。おかげで明日がゴミの日である事を思い出した。
「こんばんは。」
後ろ姿に向かって挨拶をし、郵便受けを開ける。入っていたのは近所のピザ屋のチラシだけだった。ピザといい酢豚といい、一体どこの誰がパインなんてものを入れだしたのだろう。
チラシから顔をあげ、返事が返ってこない後ろ姿に目をやった・・・ハズなのに、いつの間にか目の前にいたのは、焦げ茶色のオッサンスリッパに裸足を入れて佇む、しっぽの名付け親の彼女だった。
待ってましたと言わんばかりに1つだけ取り残されていたチーズハンバーグ弁当は、僕の右手のビニール袋の中ですでに傾きつつあった。
住み始めて1年になる、そろそろ見慣れたアパートにつくと、郵便受けの前で電灯に照らされながらゴミ袋を懸命に締めている人影があった。おかげで明日がゴミの日である事を思い出した。
「こんばんは。」
後ろ姿に向かって挨拶をし、郵便受けを開ける。入っていたのは近所のピザ屋のチラシだけだった。ピザといい酢豚といい、一体どこの誰がパインなんてものを入れだしたのだろう。
チラシから顔をあげ、返事が返ってこない後ろ姿に目をやった・・・ハズなのに、いつの間にか目の前にいたのは、焦げ茶色のオッサンスリッパに裸足を入れて佇む、しっぽの名付け親の彼女だった。