人魚姫の願い
王子が連れて来てくれたのは、派手な外装の大きな建物だった。中には世界中から集めたという珍品が所狭しと並べられていた。
海の世界しか知らず、珍しいものに思わず目を奪われる私を、微笑ましいといった表情で見守りながら、王子はずんずんと先を歩いて行く。そして、煌びやかな扉の前で立ち止まった。
「この先だよ。この先に人魚がいるらしい」
ニンギョ。その単語に嫌な感じを覚えた。まさか……。まさかここに……。
「最近この近くの海で捕まえたんだって」
扉を開けた先には……私の姉の姿があった。
海の世界しか知らず、珍しいものに思わず目を奪われる私を、微笑ましいといった表情で見守りながら、王子はずんずんと先を歩いて行く。そして、煌びやかな扉の前で立ち止まった。
「この先だよ。この先に人魚がいるらしい」
ニンギョ。その単語に嫌な感じを覚えた。まさか……。まさかここに……。
「最近この近くの海で捕まえたんだって」
扉を開けた先には……私の姉の姿があった。