夏服を収める頃には
広瀬健の挨拶
改札を通ると広瀬健は、さらに学校へ行くのが嫌になった。

何故なら健は転校初日だからであった。
健の父は隣の県でトラック運転手
をしていた。

父は先週国道で物損事故をおこして
会社を解雇された。
事故を起こした同じ県では再就職先が
見つからないと判断して、より都会である
こちらの県に引越し、
転校をすることになったのだ。

高校二年の二学期というなんとも中途半端
な時期の転校はなおさら健を
ブルーにさせた。

(せめて三年生の四月とかだったら
良かったのになあ。

こんな時期に転校して行ったら、
のけものじゃん、俺)

「行きたくねえ・・・」

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