夏服を収める頃には
健は朝からいつ交際を申し込むかだけ
を考えていた。

この二日間を一緒に過ごしたが最終的
に自分のことを単なる『お友達』としか
見ていない、とは考えにくかったが、
確かな証拠はどこにもなかった。

(告白して大恥を
かいたらどうしよう。

嫌、大丈夫のはずだ。

でも、失敗したら・・・)

健が苦悩していると風で髪が乱れた
淳が、髪をかきあげた瞬間だった。

健は立ち上がると、同時に
勝手に口が開いていた。

「小田島さん、あの・・・」
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