夏服を収める頃には
健は淳に敬礼をすると駅へ走った。
万引き犯人が警備員と目が合った時
よりも早く走っていた。
ただただ、うれしかったからである。
「やったー」
(淳ちゃんと付き合える!
俺に彼女が出来た。
かわいくて優しい彼女が出来た。
これから毎週デートをしよう。
そしたら、そう、そしたら、そのうち
淳ちゃんと手を
繋ぐ時がくるかもしれない)
「あっ・・・」
健はここで亜子の左手を思い出して
しまった。
小さく柔らかい亜子の手。
亜子の部屋で見た亜子の姿も。
そしてまた木曜日に会う約束も。
万引き犯人が警備員と目が合った時
よりも早く走っていた。
ただただ、うれしかったからである。
「やったー」
(淳ちゃんと付き合える!
俺に彼女が出来た。
かわいくて優しい彼女が出来た。
これから毎週デートをしよう。
そしたら、そう、そしたら、そのうち
淳ちゃんと手を
繋ぐ時がくるかもしれない)
「あっ・・・」
健はここで亜子の左手を思い出して
しまった。
小さく柔らかい亜子の手。
亜子の部屋で見た亜子の姿も。
そしてまた木曜日に会う約束も。