夏服を収める頃には
後 悔
木曜日の放課後、健は一人で電車に
乗り亜子のマンションを目指した。

『一人で電車に乗って部屋に来てね。

勿論周囲の人に絶対に
見られないようにね』

今朝、亜子から来たメールを読むと
健は約束どおりメールをすぐ
削除した。

電車に乗る時も降りる時も
周囲に青葉の生徒や学校職員等が
いないかを確認して、
さらにマンションに入るときも
何度も確認してから亜子の部屋に
入った。

何気なくまたスチールラックの
固定電話に目が行ったが
今日は留守電のライトは
点滅していなかった。

亜子が健にゆっくりと
歩み寄った。

「長かった?短かった?

この一週間」
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