夏服を収める頃には
亜子はポロシャツとミニスカートで
健の前に現れると、健にキスせんばかり
に近づいて言った。

どうしてもそのスタイルに目が
奪われてしまいそうになりながらも、
視線を逸らせて答えようとした。

健は亜子に二度とこの部屋に来ない
ように言うつもりだったが、
本人を目の前にすると簡単には
言うことは出来なかった。

亜子は健の気持ちが揺らいでいること
がその表情でなんとなく分かったので
積極的な行動を取ることにした。

健の両手を亜子は掴んだ。

「健君。

健君は亜子のことが嫌い?」

「いいえ。

先生は素敵な方です」

「じゃあ、なくて亜子を女として、
どう思うの?健君は」

「ですから、素敵な女性だと
思っています・・・」

亜子と別れるという命題が頭の中に
あるのにも係わらず出て来る言葉は
全く違うものになっていた健は
全身から冷や汗が出ていた。

亜子は続けた。

「亜子は健君が生徒ではなく、
異性として、男として好き。

健君の気持ちを聞かせて」




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