夏服を収める頃には
「じゃあ、また来週。木曜日ね」

「はい・・・」

亜子はドアの前で健にまたキスを
すると、健は亜子の部屋を出た。

マンションを出ると歩道を歩く
小学一年生くらいの男児と目が
合うと、健は立ち止まった。

その目が健の行為を見ていて
非難していたように見えたから
である。

勿論、そんなわけはないが、健は
目が合う人、合う人全てが健の
行為を見ていたかのように
思われた。

大きな後悔と失望が健を襲った。

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