夏服を収める頃には
淳にコップを渡しながら

「嘘に決まってるでしょ。

一家惨殺があっただけ。十人全員。

今、座ってるそこも赤い染みが
消えなくて」

「全く笑えないんだけど・・・」

勿論前の住人に問題は全くなかったが
健が思いついたギャグはこんなもんだった。

健はソファに座り、コーラを
飲み干すとコップをテーブルに置いた。

「冷たいものも飲んだし、
そろそろ帰ってくれるかな」

「もう!今来たばっかり!

ねえ、健ちゃんのお部屋見せて」

「いいよ」

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