夏服を収める頃には
二人は二階へ上がり、健は先に部屋に
入るとエアコンのスイッチを入れた。

そしてCDコンポの電源を入れて、
ラックからCDを選んだ。

「へえ、意外ときれいな部屋だね。

びっくりした」

「汚いとさあ、親父にぶん殴られる
んだよね。

命がけだよ毎日」

淳は笑いながら椅子に座った。

イギリスのロックミュージシャンの
ポスターが壁一面に張られていた。

机の上はノートパソコンだけで、
ベッドもフローリングもきれいに
掃除されていた。

そこへ淳の耳に大好きな
『コワルスキー』のサウンドが
大音量で飛び込んできた。

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