夏服を収める頃には
木曜日
木曜日になり、健は落ち着いて亜子の
部屋に入った。

亜子との関係は、淳との関係を進めて
行くための踏み台という位置にして
接することに決めたからである。

いつもならドアを開けた瞬間から亜子
は健に体を密着させてくるのに、今回
はないなあと思っていると亜子が

「今日はテレビゲームしよう。

この前買ったんだ。

亜子、これでもうまいんだよ」

「へえ、そうなんですか」

(なんだ、ゲームかよ。帰るかな)

キスが当たり前だと思っていた健は
落胆してしまった。

亜子は奥の部屋からゲーム機を持って
くると、テレビの前に置いた。



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