夏服を収める頃には
(俺は裏切られていた・・・。

月曜日が松本で、木曜日が俺だった。

俺は青山先生にもてあそばれていた。

俺は彼氏でもなんでもなかった)

「健君、違うの。説明させて」

いつの間に亜子が健の後ろに
立っていた。

「今のは間違い電話よ、多分。

そう、間違い電話よ」

亜子は立ち上がって無言のままの
健を抱きしめて、その唇を自分の
唇で塞いだ。

そしてキスをやめてから健を見つめた。

「健君、勘違いしないで、ね。

そうだ、ドライブ行こう。

レンタカー借りて。ね?」



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