夏服を収める頃には
「恋人ごっこは今日で終わりです。

さようなら」

「いやあ、そんなの嫌!」

健は亜子が泣き叫ぶ声を聞きながら、
ドアを開けて、部屋を出た。

亜子は赴任してすぐ松本の存在を知り、
人目のつかない場所で声をかけると
簡単に松本とは交際が始まった。

初日から亜子は松本と関係を持った。

亜子は仕事、松本は部活動があるので
会う日は月曜と木曜になった。

週末も松本は亜子と会いたがったが、
亜子はやんわりと断った。

土日になると亜子は地元を離れて隣町
へ行きずりの男子高校生を求め、一度
だけの関係を続けていたのだ。
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