夏服を収める頃には
別 れ
淳は笑顔で健から交際を申し込まれた
思い出の公園へ自転車を走らせた。

学校で会話はなく、木曜も金曜も
メールをしても返信してこなかった
健が今朝早く
『公園で会いたい』とメールを
送信してきたからである。

広い公園の反対側では、小学生野球
チームが試合を行っていた。

ベンチに座っている健の前で淳は
自転車を止めて降りた。

「何?健ちゃん。分かった、
文化祭のことでしょ」

淳は笑顔で健の顔を見ると、健は
強張った表情で俯いたままで
答えなかった。

「健ちゃん、何かあったの?」

健は少し黙ってから答えた。

「淳ちゃん、別れよう」
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