夏服を収める頃には
健は涙が零れ落ちるのを止めることが
出来なかった。

淳もまたあふれ出す涙を抑えることが
出来なかった。

公園の反対側で野球をしている小学生
チームがホームランの飛距離に大きく
湧いていた。

健と淳にはその歓声が自分達の再出発
を祝っているかのように聞こえた。

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