夏服を収める頃には
小田島淳の憂鬱
淳が電車に乗り込むと同時に
ドアが閉じられた。

スカートの裾を気にしながら
反対側の窓際に行くと、
鞄から携帯音楽プレイヤーを出して、
イヤフォンをつけてスイッチを押した。

(転校生が来ても、私には全く関係ない。

明日もまたつまんない一日なんだ、絶対!

ああ、早く卒業したい。

大学生になったら
私は新しい私になれるんだ、きっと。

今よりずっと素敵な私になるんだ、絶対!)

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