夏服を収める頃には
「ええ、僕は二年六組の広瀬健といいます。

今月、この青葉に転校して来ました。

まず僕が最初にこちらの県に来て驚いた
のは・・・」

健の発言の途中で体育館の後方から、
やじが飛んだ。

「生徒会の選挙じゃねーんだよ!

文化祭でつまんねーこと、やるな!」

体育館内が凍りついた瞬間だった。

喫煙で停学明けのヤンキー二年男子は、
この発言で自分が学校に戻ったことを
主張したかったようだった。

確かにそれまでの演目はセンターマイク
があり、はっきりと演奏や漫才と容易
に分かるものであった。

そこに健だけテーブルを持ち込んで、
演説のような話し始めであったから
分かりにくかったのかも知れない。
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