夏服を収める頃には
六組以外の生徒達はまだ健達がコント
を開始したことに気が付かずに、少し
戸惑っていた。

客席からの突っ込みが先ほどのヤンキー
生徒のやじのように思えたからである。

健はまだ最初のうちはこんなものだろう
と思いながら続けた。

「僕と父は命からがら、こちらの県に
逃げ込んで来ました。

のんびりと談笑しながら」

「そこは、真剣にすばやく来いよ」

四人目が突っ込んだ。

「そんなこんなで、僕は今日この青葉高校
を無事に卒業出来ることになりました」

「うわあ」

六組全員が一斉にこけた。

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