夏服を収める頃には
主 張
六組の生徒達は顔を見合わせていた。

練習では一切出てこないセリフが健の口
から飛び出したのである。

竹内は台本のコピーをポケットから
出して最初から読み返したが、どこにも
当てはまるセリフはなかった。

淳もまた困惑していた。

もうすぐオチになり、クラス全員で
派手にこけて終わるはずが全く聞いた
ことのないセリフを続ける健に淳は
不安げに見つめることしか出来なかった。

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