夏服を収める頃には
健は一呼吸してからさらに続けた。

「青葉高校を卒業してから
『あの時に・・・』と思うのではなく、
今がその『あの時』であることに
気が付くと、簡単に僕の友達に笑顔が
戻ると思います。

僕達は小学生にも中学生にも戻ることは、
出来ません。

その当時の悩みを今解決することは
不可能です。

しかし高校生である今、高校生時代の
苦悩は今、解決出来るのであれば、
今、行動を起こすべきだと思います。

隣の人が泣いているよりも、笑っている
方が僕は好きです。

最後まで聞いてくださった、皆さん
ありがとうございました。

全編馬鹿な話しばかりで不愉快な
思いをした方がいたらすいませんでした。

そして最後に偉そうなお説教を
言ってしまい、これもすいませんでした。

最後に二年六組のみんな、
ありがとうございました」

健は頭を下げると体育館内は割れん
ばかりの拍手に包まれた。

健はもう一度頭を下げると、ステージ
の袖に消えた。

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