夏服を収める頃には
『なんでも腕自慢』の優勝者は満場一致
で健に決定をした。

健は再びステージに上がり、渡部校長から
賞状をもらい握手をすると、一言話す
ように促された。

体育館内の雰囲気が異常に盛り上がって
いたが、健はもう話す内容が浮かばないの
で一度は拒んだ。

しかし渡部校長からさらに薦められたので、
健はマイクを握った。

「ええ、みなさんありがとうございます。

みなさんの暖かい拍手と応援で優勝の
賞状をいただけることになりました。

尚、渡部校長の辞任会見はこの後
十六時より開始します。以上」

体育館の全生徒が一斉にこけた。

練習をしていない生徒も派手に頭から
両手を広げてこけてくれた。

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