夏服を収める頃には
淳は泣き止んでいたがまた涙が出てきた
ので手で涙を拭いながら首を横に振った。

「先生、もうみんなと仲良く出来たの
でいいです。

みんな誤解をしていただけなんです。

みんなは悪くないんです」

「そうか。よし、みんな!

今日から、みんな、みんな友達だからな。

今月、広瀬が来たときにお前らはすぐ
広瀬と打ち解けたように、小田島と一緒に
勉強やらお昼とか登下校とかして
やってくれ。

俺からのお願いをきいてくれるかな」

「はい!」

六組の生徒達は大きく答えた。

そして誰からともなく拍手が起きると
全員が拍手をして教室を大きく包み込んだ。

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