夏服を収める頃には
百 点
その日の夜、淳はアルバイトを終えて
店を出るとすぐ健に電話をかけた。

「健ちゃん、本当に
今日はありがとう」

「なんか予想を超えるほど盛り上がって
しまい戸惑ったけど、みんな受け入れて
くれて俺もうれしかったんだ」

「本当にみんなと仲良く出来たんだよ、
本当に。

本当にありがとう」

健は真剣な表情になって答えた。

「俺は淳ちゃんを一度傷つけてしまった
から、その謝罪もかねていたんだ。

俺こそ感謝すべきなんだよ。

淳ちゃん、俺を許してくれて、そして
付き合ってくれてありがとう」

電話の向こうから淳の鳴き声が
聞こえてきた。

健は淳が泣き終えるまで待った。
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