夏服を収める頃には
「ごめんね、また泣いて。

こんなに涙を流したことないよ私」

「まあ、今日がそうゆう日なんだよ、
たまたまね」

お互い一呼吸すると声のトーンが
明るくなった淳が言った。

「私、前までマイナス百点の人生を
送っていたのに、今はプラス百点の人生
になっちゃった。

もう、幸せすぎるの。

健ちゃん、私、健ちゃんのことを
離さないからね。

いい?」

健はすぐ
『お断りします』
と答えたか
ったが淳が真剣な口調なので止めておいた。

「こちらこそ、宜しくお願いします」

「やったー。

週末どっかに行こうね。

私、何着て行ったらいい?」
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