夏服を収める頃には
淳は腕を組んで健と一緒に正面玄関を
飛び出した。

「ちょっと、淳ちゃん。

俺、鞄置いたまんま。

竹内とゲーセン行く約束あるし」

「いーの。持ってきてくれるって」

「うーん、それにしても、みんなの前で
交際宣言はやり過ぎじゃないの?

俺、格好悪いんだけど」

「言わずにいられなかったの。

私は健ちゃんの彼女だってことを」

淳は大野に言った宣言を思い出した。

夏服を収める頃には健ちゃんの彼女に
なるということを。
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